賃料相場の調べ方【住宅・オフィス・店舗・土地別】おすすめサイトランキング

不動産基礎知識

家賃相場を調べても、サイトごとに数字がバラバラです。どれを信じればいいんですか?

掲載賃料はあくまで募集ベース。住宅はSUUMO、オフィスや店舗はat homeやテンポダス、土地は国交省の土地総合情報システムなど、物件の種類によって参考サイトは違います。複数を比較しましょう。

賃料相場を正確に把握できず、購入や賃貸の判断に不安を感じる投資家や借主は多い。相場感を欠いたまま意思決定を行えば、収益性や資産価値に大きな影響を及ぼす。

本記事では住宅・オフィス・店舗・土地別に信頼性の高いサイトをランキング形式で整理し、一般利用者と投資家それぞれに適した調べ方を提示する。

読み終える頃には、最新データを効率的に収集し、投資判断や生活の安心につながる具体的な情報源を手に入れられるはずだ。

賃料相場の調べ方について

賃料相場の調べ方について

賃料相場を把握する方法は、大きく分けて民間ポータルサイトと官公庁が提供する公的データの活用がある。ポータルサイトは最新の募集賃料を簡単に確認でき、エリア別の相場グラフや条件別の比較機能も充実している。
一方、官公庁のサイトは信頼性が高く、過去の地価や取引事例まで参照できるため、中長期的な市場動向を把握するのに役立つ。両方を組み合わせることで、より精度の高い相場感を得られる。

一般の方が調べる際のポイント

一般の利用者は住宅ポータルサイトを中心に活用するのが効率的だ。エリア別の相場グラフを確認すれば地域ごとの家賃水準を把握できるし、築年数や駅徒歩など条件を変えて比較することで希望に合った価格帯を見極めやすい。
また、掲載情報だけに頼らず内見を行い、建物の状態や周辺環境を直接確認することも重要だ。こうしたプロセスを踏むことで、実際に支払う家賃と価値のバランスを冷静に判断できる。

投資家が調べる際のポイント

投資家の場合は、公的データと民間ポータルを組み合わせて調査するのが基本になる。民間サイトで最新の募集賃料を把握しつつ、国土交通省の取引事例や地価公示を参照すれば、市場の実勢価格を検証できる。
さらにエリアごとの賃料推移や空室率を確認することで、投資対象の収益性やリスクを数値的に評価できる。長期保有を前提とするなら、将来の資産価値や売却時の出口戦略まで考慮し、複数の情報源を比較することが欠かせない。

住宅の賃料相場を調べやすいサイトランキング

住宅の賃料相場調査では、大手ポータルサイトが最も効果的だ。これらのサイトは物件数が豊富で、エリア別の相場データや条件別の比較機能が充実している。
特にSUUMO、LIFULL HOME’S、アットホームの3サイトは情報の質と量において他を圧倒する。更新頻度も高く、最新の市場動向を反映した相場情報を提供している。

1位:SUUMO(スーモ)賃貸

SUUMOは住宅賃貸市場において圧倒的な物件掲載数を誇る。全国の賃貸物件約500万件を取り扱い、エリア別の相場グラフは視覚的に分かりやすく設計されている。
特に「相場から探す」機能では、駅周辺の家賃分布が一目で確認でき、希望予算内の物件比率まで表示される。データ更新は毎日行われるため、市場の最新動向を正確に把握できる点も投資家にとって重要だ。
また、間取り別や築年数別の詳細な相場分析機能により、ターゲット層に応じた賃料設定の参考データとしても活用しやすい。

2位:LIFULL HOME’S 賃貸

LIFULL HOME’Sは条件別の相場比較機能が特に優秀だ。駅徒歩分数、築年数、専有面積などの条件を変更すると、リアルタイムで相場グラフが更新される仕組みになっている。
マップ表示機能では、物件の分布状況と家賃レンジが色分けで表示され、エリア内での相場格差を直感的に理解できる。これにより投資対象エリアの選定作業が効率化される。
さらに「家賃相場レポート」では過去1年間の推移データも確認でき、中長期的な市場トレンドの把握にも対応している。

3位:アットホーム賃貸

アットホームは地域密着型の不動産会社が多数参加している点が最大の特徴だ。大手ポータルには掲載されない地元物件の情報も豊富に取り扱っている。
特に地方都市や郊外エリアでは、中小不動産会社しか取り扱っていない優良物件が存在するため、アットホームの情報網は貴重だ。相場データも地域特性を反映した精度の高い情報を提供している。
検索機能はシンプルながら実用的で、エリア別の平均家賃や築年数分布などの基本的な相場情報を効率よく収集できる構成になっている。
ネットの情報だけでなく、実際に内見して確認することが大切ですね。

オフィスの賃料相場を調べやすいサイトランキング

オフィス賃料の相場調査には専門サイトの活用が効果的である。住宅と異なり、オフィス物件は坪単価での表示が一般的で、立地条件や設備仕様が賃料に大きく影響する。専門サイトではこれらの条件を詳細に比較でき、投資判断に必要な情報を効率的に収集できる。

1位:ジャパンオフィス検索(Japan-Office.jp)

ジャパンオフィス検索は東京・大阪・名古屋・福岡など12都道府県で約10,000件以上の最新オフィス物件情報を掲載している。坪単価別や面積別の検索機能が充実しており、エリアごとの相場感を効率的に把握できる仕組みが整っている。
スタッフ相談機能では、物件の詳細情報や市場動向について専門スタッフから直接アドバイスを受けることが可能だ。これにより相場データだけでは判断しにくい立地の将来性や周辺開発計画なども含めた総合的な投資判断ができる。
更新頻度も高く、新規募集物件や賃料変更情報がリアルタイムで反映されるため、投資タイミングを逃さずに済む点も評価が高い。
参照:ジャパンオフィス検索(Japan-Office.jp)

2位:officee(オフィシー)

officeeは全国11都市に対応し、仲介手数料無料物件を多数取り扱っている点が最大の特徴である。空室情報の正確性が高く、実際に契約可能な物件のみが掲載されているため、投資検討時の無駄な時間を削減できる。
相場情報は駅別・エリア別で整理されており、坪単価の推移グラフも確認できる。これにより短期的な市場変動だけでなく、中長期的なトレンドも把握しやすい構造になっている。
物件詳細ページでは設備仕様や管理体制まで詳しく記載されており、賃料と物件価値のバランスを総合的に評価する材料が豊富に提供されている。
参照:officee(オフィシー)

3位:オフィスナビ

オフィスナビは全国主要都市をカバーし、面積・坪単価・立地条件などの検索機能が特に充実している。フロア面積や分割可能面積まで詳細に記載されており、テナント戦略に応じた物件選定が行いやすい。
坪単価の相場データは月次で更新され、エリア別の賃料動向を数値とグラフで確認できる。特に東京23区内では区ごとの詳細な相場分析も提供されており、投資エリアの絞り込みに活用できる。
物件写真や設備情報も豊富で、現地確認前の事前調査として十分な情報量を確保している点も投資家には重要な要素だ。
参照:オフィスナビ

4位:アットホーム(貸事務所・賃貸オフィス)

アットホームのオフィス版は全国対応で物件数が豊富な点が強みである。住宅版と同様の検索UIを採用しているため、操作性に優れており初心者でも使いやすい設計になっている。
地域密着型の不動産会社も多数参加しているため、大手ポータルでは見つからない地方都市の優良物件情報も収集できる。これにより投資対象エリアを全国に拡大する際の情報源として価値が高い。
相場情報は基本的なエリア別データが中心だが、実際の募集賃料から市場の実勢価格を把握する用途には十分対応している。
参照:アットホーム

番外編:三鬼商事(賃貸オフィス市況レポート)

三鬼商事は東京・大阪・名古屋など主要都市の空室率・平均坪単価を毎月公表している業界データのリーディングカンパニーだ。個別物件情報は提供していないが、市場全体の動向把握には欠かせない情報源となっている。
特に空室率データは投資判断において重要な指標であり、エリア別の需給バランスを客観的に評価できる。平均坪単価の推移データと合わせて分析することで、投資タイミングや売却戦略の参考材料として活用できる。
業界関係者や法人の資産担当者に広く利用されており、市場の大きな流れを把握したい投資家にとって信頼性の高いデータソースだ。
業界関係者や法人の担当者から広く信頼されており、オフィス市況を全体的に把握する際の参考資料として重宝されている。
参照:三鬼商事
オフィスは坪単価で比較するのが基本です。立地による差も大きいので注意しましょう。

店舗の賃料相場を調べやすいサイトランキング

店舗物件の賃料相場調査では、業態特化型のサイトが最も有効である。飲食店、小売店、サービス業など業態によって立地要件や賃料水準が大きく異なるためだ。専門サイトでは業態別の相場データや居抜き物件の情報も豊富で、投資判断に必要な情報を効率的に収集できる。

1位:飲食店ドットコム

店舗物件探し.comは業態別の物件検索機能が充実している店舗専門サイトである。飲食店、小売店、美容室、クリニックなど20以上の業態カテゴリーで物件を分類しており、それぞれの業態に適した立地条件での検索が可能だ。
居抜き物件の相場情報も詳細に掲載されており、設備投資コストを含めた総合的な投資判断ができる。居抜き物件では前テナントの設備価値が賃料に反映されることが多く、この情報は収益性評価において重要な要素となる。
エリア別の坪単価相場も月次で更新されており、商業地域の賃料動向を継続的に把握できる仕組みが整っている。
参照:飲食店ドットコム

2位:テナントショップネットワーク

テナントショップネットワークは全国対応で商業施設・ロードサイド物件を豊富に取り扱っている。ショッピングセンター内のテナント区画から独立店舗まで、幅広い店舗形態の物件情報を網羅している点が特徴だ。
特にロードサイド物件では駐車場台数や車両動線まで詳細に記載されており、郊外型店舗投資には欠かせない情報が充実している。賃料相場は立地タイプ別(商業施設内、路面店、ロードサイドなど)で整理されており、投資戦略に応じた比較検討が行いやすい。
全国の加盟不動産会社が参加しているため、地方都市の店舗物件情報も豊富に取得できる利点がある。
参照:テナントショップネットワーク

3位:アットホーム

アットホームは、賃貸住宅だけでなく貸店舗や貸事務所といった事業用物件情報も豊富に提供している。全国規模で幅広いエリアの物件を網羅しており、地域密着型の中小不動産会社が扱う物件も多数掲載されている点が特徴である。
そのため、大手ポータルサイトでは見つけにくい、特定の地域に根差した掘り出し物の物件情報に出会える可能性がある。住宅版と同様に使いやすいインターフェースで、業種や面積、駅からの距離など、詳細な条件で店舗物件の賃料相場を検索できる。
参照:アットホーム

番外編:Tempodas(テンポダス)

Tempodasは、未公開・居抜きの店舗物件を中心に掲載する、店舗向けマッチングサービスだ。運営元は(株)リクルートであり、新規出店希望者に対して質の高い物件情報を無料で提供している点が特徴だ。
最新の募集情報と過去6ヶ月間の相場データを同一画面で比較できる機能が特徴的だ。これにより短期的な賃料変動と中期的なトレンドを同時に把握でき、適切な投資タイミングの判断材料として活用できる。
物件詳細ページでは周辺の競合店舗情報や人口動態データも提供されており、立地の将来性まで含めた投資判断が可能となっている。
参照:Tempodas

土地の賃料相場を調べやすいサイトランキング

土地の賃料相場を調べる際は、公的機関が提供するデータが最も信頼性が高い。現在は、国土交通省が運営する 「不動産情報ライブラリ」 により、地価公示や地価調査、実際の取引価格などを一元的に確認できるようになっている。
このサイトを活用することで、標準的な地価と市場の実勢価格を同時に把握できるため、長期的な投資戦略や売却タイミングの判断に役立ちます。さらに、民間ポータルサイトと組み合わせれば、より精度の高い市場分析が可能になります。

1位:不動産情報ライブラリ(国土交通省)

不動産情報ライブラリは、国土交通省が提供する公的データベースであり、土地価格の調査において最も信頼性の高い情報源だ。

●標準地価格(地価公示・都道府県地価調査):全国約26,000地点を対象に、
不動産鑑定士が評価した地価を毎年公表
●実取引価格:実際の不動産取引を四半期ごとに集計、公表しており、
市場の実勢に近い価格を確認可能

この2つを同時に検索できるため、長期的な地価推移と直近の取引動向を効率的に把握できる。住宅地、商業地、工業地など用途別のデータも網羅しており、投資判断に欠かせない情報源である。
参照: 不動産情報ライブラリ(国土交通省)

2位:LIFULL HOME’S 土地

LIFULL HOME’Sの土地検索は、最新の募集情報を豊富に掲載している民間ポータルサイトだ。

●公的データでは得られない「最新の募集価格」がわかる
●エリア別の価格分布や坪単価相場をグラフ表示で直感的に把握できる
●面積、用途、価格帯などの条件検索で効率的に絞り込みが可能

不動産情報ライブラリで基準となる相場を把握したうえで、HOME’Sで募集価格を確認すれば、投資判断や交渉戦略に活用できる。
参照: LIFULL HOME’S 土地

3位:SUUMO 土地(スーモ)

SUUMOはリクルートが運営する国内最大級の不動産ポータルサイトです。土地情報の掲載件数が圧倒的に多く、全国の最新募集価格をスピーディーに確認できる。

●エリア別・沿線別・駅別に細かく検索可能
●坪単価や面積条件を組み合わせて相場を比較できる
●更新頻度が高く、市場の最新動向を迅速に把握できる

利用者数が多いため、需要の高いエリアの相場感を調べたい方に最適だろう。投資家はもちろん、一般利用者にも使いやすい仕様となっている。
参照: SUUMO 土地
土地の適正価格を算出する際には、実際の取引事例を基に価格を導く取引事例比較法が用いられる。取引事例比較法については、こちらの記事を参照頂きたい。
取引事例比較法をわかりやすく解説!不動産鑑定の基本と計算式を丁寧に紹介

カテゴリ別の使い分けと注意点

カテゴリ 主な重視項目
住宅 間取り、広さ(㎡数)、築年数
店舗 業態適正、通行料
オフィス 坪単価、設備グレード
土地 法的制限、開発可能性

住宅・店舗・オフィス・土地で必要なデータ項目と重要度は大きく異なる。住宅では間取りや築年数、店舗では業態適性や通行量、オフィスでは坪単価や設備グレードが重視される。土地については法的制限や開発可能性まで考慮する必要がある。
ポータル系サイトは最新情報の取得に優れているが、官公庁系は信頼性と継続性で優位だ。相場はあくまで参考値であり、現地確認や専門家の意見も併せて総合的に判断することが重要である。
アットホーム加盟の不動産会社は、専用サイトATBBで国勢調査や駅の乗降客数などのデータも確認できます。物件購入時の資料として活用可能です。

ランキング順位の根拠

今回のランキングは、賃料相場調査において重要となる以下の5つの評価基準に基づいて順位付けを行った。まず、ウェブサイトの操作性や情報の見やすさを重視した「利便性(UI/UXの使いやすさ)」。次に、掲載物件数や提供されるデータの豊富さを考慮した「情報量」。市場の変化に迅速に対応できるかを測る「更新頻度」。データの正確性や提供機関の信頼性を評価する「信頼性」。そして、全国的な情報提供か、特定の地域に限定されるかを判断する「対応エリア」である。これらの要素を総合的に評価し、投資家にとって最も有用なサイトを選定した。

1. 利便性(UI/UXの使いやすさ)
2. 情報量(掲載物件数やデータ量)
3. 更新頻度(最新情報への反映速度)
4. 信頼性(データの正確性・提供元の信頼度)
5. 対応エリア(全国展開か地域限定か)

特に投資家向けの評価では信頼性と情報量を重視し、官公庁系サイトの評価を高く設定している。一般利用者向けでは利便性と更新頻度により重点を置いた評価基準を採用している。

まとめ

賃料相場の正確な把握は、不動産投資において極めて重要である。本記事では、住宅、オフィス、店舗、土地といった物件の種類ごとに、効果的な賃料相場の調べ方と、それぞれに最適なサイトを紹介した。最新の市場動向を知るには民間ポータルサイトが有効であり、市場の信頼性や長期的なトレンドを把握するには官公庁の公的データが役立つ。
投資家としては、これら複数の情報源を組み合わせ、多角的に分析することが欠かせない。物件の種類や目的に合わせてサイトを使い分け、収集した情報を比較検討することで、より精度の高い収益シミュレーションが可能になる。オンラインの情報だけでなく、現地での確認や専門家への相談も怠らないことが、確実な投資判断へと繋がる。
今回ご紹介した情報とツールを最大限に活用し、不動産投資におけるあなたの知識と判断力をさらに高めてほしい。常に市場の変化を捉え、最適な物件選びと堅実な事業運営を目指すことが、持続的な成功への道といえるだろう。

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