不動産一括査定のデメリットは3つ!高すぎない?注意点や仕組みを徹底解説!

区分マンション売却

不動産を売却する際、どの不動産会社に売却を依頼すれば良いのかわからないという人は多いだろう。また売ろうとしている不動産がいくらぐらいで売れるのか事前に知っておきたいという方も多数いる。そのような方が利用するサービスとして普及しているのが不動産一括査定サイトだ。

ウェブ上で一定の情報を入力するだけで複数社からの査定金額が提示され、気に入った不動産会社がいればそのまま媒介契約を結び売却をスタートできる。全て無料で利用でき非常に便利なサービスだが、依頼者の利益を無視した業者が存在する可能性もあり、表面上ではわからない落とし穴がある点は要注意だ。

全てが完璧なサービスなどはなく、どれだけ優れたサービスでもデメリットや注意点は多数存在する。一括査定サイトも例外では無い。しかし、事前にそのデメリットや仕組み自体を理解することで、利用の仕方や認識も変わってくるだろう。

今回の記事では、これから一括サイトを利用しようと考えている方が、不動産売却で損しないために、一括査定サイトの仕組みやデメリット、注意点について詳しく解説させて頂く。

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不動産の一括査定の仕組みとは?

不動産の一括査定の仕組みとは?

不動産の一括査定サイトは、所有する不動産の価格を簡単に知ることができるため、利用する人も多い。次のような不動産の情報を入力すれば、複数の不動産会社から査定価格を得ることができる。

●対象不動産の住所や部屋番号
●土地面積
●建物の延床免責
●建物の築年数
●建物の構造

これらの情報以外に、詳細な情報を必要とする不動産一括査定サイトもある。
いずれにしても、不動産の売却を検討していて、複数の査定額を知りたい場合に、不動産一括査定サイトを利用する時間的なメリットは大きい。

自ら不動産会社を回らなくても良く、複数の査定額を入手でき、実際に売却を依頼する不動産会社を比較することができるからだ。

簡易査定(机上査定)と訪問査定

簡易査定(机上査定)と訪問査定

不動産一括査定サイトの査定方法には、すぐに査定額が分かる簡易査定(机上査定)と現地を訪れる訪問査定がある。訪問査定は、簡易査定よりも査定額の精度が高いことが特徴であり、売却価格に近い査定額が出る。

簡易査定は、一般的に不動産一括査定サイトで最初に行われる。取引事例比較法や収益還元法などを基に査定額を算出する方法である。不動産会社によってその方法は異なり、期間は概ね3日〜1週間程度で算出されることが多い。

ただし、実際に物件を見るわけではなく、データのみで価格を算出しているため、決して精度が高いとは言えない。簡易査定の方法についてより詳しく知りたい場合はこちらの記事を参照頂きたい。
「アパート、収益物件の査定方法3種類について徹底解説します」

訪問査定は、不動産会社の担当者が該当不動産のある現地に出向き、物件のコンディションや土地やその周辺の状況などを見て、細かくチェックしてから査定額を算出する方法である。

簡易査定と比べてより精度の高い査定額が提示される。ただし、査定額がでるまでに時間がかかったり、交通費や日当などの費用が発生する可能性もある。そもそも訪問査定に対応していない不動産会社が多数あるのは事実だ。

簡易査定、訪問査定それぞれに特徴はあるが、概ねの相場を知りたい程度であれば簡易査定で充分だろう。精度の高さが優先で、時間的にも余裕があるなら、訪問査定が良い。

因みにアパートや1棟マンションなどのような大規模物件に関しては、全てを細かく調査することは時間的にも難しいため簡易査定で済ませるケースが多い。

一括査定申し込み後の流れ

不動産一括査定サイトに情報を入力し、査定を申し込んだ後の流れは、次のようになる。

●複数の不動産会社から簡易査定書を出してもらう
●簡易査定の中から希望に合った不動産会社を2~3社選定する
●選定した不動産会社に連絡し不動産会社の話を聞く
●スケジュールを調整して訪問査定を受ける
●訪問査定の査定額を比較検討する

訪問査定は、売主も立ち会うのが良いだろう。訪問査定前に、事前にどのような資料が必要かを聞いておくと査定がスムーズに進み、精度の高い査定にも繋がる。

また、訪問査定は2~3社に絞り、無駄な時間を費やさないようにしよう。仮に6社の訪問査定に対応すると時間的な負担はかなりのものだ。売却活動のスタートも遅れてしまう可能性もあるのでできる限り絞り込んで査定の依頼をしよう。

次のステップはその中から実際に売却を依頼する不動産会社選びだが、安易に媒介契約を結ぶのは少し待って頂きたい。まずは次項以降で解説するデメリット、注意点を良く理解しよう。

不動産一括査定のデメリットと注意点とは?

不動産一括査定のデメリットと注意点とは?

不動産一括査定サイトを利用するメリットはもちろんあるが、デメリットも複数あるので注意して頂きたい。その中でも下記3項目についてはしっかりと注意して頂きたい。

●査定額と売却価格は異なる
●査定する不動産会社は高額の手数料を支払っている
●サイトに登録している不動産会社の質はどうか?

査定額と売却価格は異なる

不動産一括査定サイトから出てくる査定額は、机上のデータから算出された金額であるため、精度はそこまで高くない。また、不動産会社の担当者が現地を確認している訳ではないため、実際の売却価格と大きく乖離するケースもある。

例えば、内装の痛みが築年数に比べて酷かったり、床が傾いている可能性もある。また床下の湿度が高く、床を支える材料が腐っているかもしれない。そのような細かい情報が無い状態での査定のため、実際に売れる金額よりも高い査定になってしまう可能性も充分にある。
よって査定価格を鵜呑みにせずに気になる不動産会社がいれば訪問査定を依頼し、不動産を細かく調査してもらうようにしよう。

査定する不動産会社は高額の手数料を支払っている

不動産一括査定サイトは不動産会社が支払う高額の手数料によって成り立っている。多くのサイトが上場しているIT企業であることを考えると、如何に儲かるビジネスなのかがご理解頂けると思う。

登録している不動産会社は査定額を出して、依頼者から全く音沙汰がなかったとしても手数料を支払わなければならない。中には無事売買契約を締結できた際にもさらに手数料を徴収するケースもあるのだ。

既にマイナスからのスタートである不動産会社にとっては、どうしても媒介契約を締結して不動産を売却してもらう必要があるのだ。ということは必死になって営業活動をしてくる可能性が高くなるということになる。しつこい営業などが苦手な方にとっては耐えられない状況になるだろう。

そのようなリスクがあることは事前に理解しておく必要があるのだ。

サイトに登録している不動産会社の質はどうか?

不動産一括査定サイトで査定を出したり、媒介契約を交わしたりできるのは、サイトに登録している不動産会社のみである。当然ながら世の中の全ての不動産会社が、不動産一括査定サイトに登録してるわけではない。

では上述した通り高額の手数料を払ってでもサイト登録をする業者とはいったいどういった会社だろうか。おそらく、集客が上手くいっていなかったり、既存顧客がそれほどいない業者ではないだろうか。

その原因は様々考えられるが、不動産会社としての実力が無いことが原因かもしれない。仮にそのような会社に査定をしてもらい売却を依頼したとしても本当に希望する条件で物件を売る実力があるのかも疑問であるし、後々のトラブルに発展する可能性もあるだろう。

そのようなリスクがあることをしっかりと踏まえた上で一括サイトを利用するようにしよう。

一括査定の価格は高すぎるのではないか?

一括査定サイトを利用するとまず感じることが一つある。それはどの会社の査定額も想像以上に高いことだ。中には「本当にこんな価格で売れるの?」と思わざる負えないような金額もある。その理由は、一括査定サイトの構造が大きく影響している。詳細について詳しく解説していく。

一括査定の価格は高すぎるのではないか?

一括査定サイトで選ばれる条件とは?

上述した通り、一括査定サイトを利用する不動産会社は事前に高額な手数料をサイト側に支払っている。不動産会社としてはどうしても媒介契約を締結し、その不動産を売却し、手数料を回収しつつ利益を出す必要があるのだ。

では一括サイトで選ばれる会社とはどのような会社だろうか?これも上述した通り、最初のアプローチは簡易査定となる。つまりその会社の実力や担当者のレベルなど確かめようが無く、単なる数値での判断にならざる負えない。

依頼者は当然ながら高く売りたいので、高い査定価格を出した不動産会社を選定することになる。これは不動産会社も充分に理解しているため、他社よりも高い金額を提示することになる。ほぼ全ての会社がそのような意向で金額を提示するので全体として高い金額となってしまうのだ。これが一括査定の価格が高くなってしまう理由である。

相場よりも高い金額で売却スタートしてしまうデメリットとは?

では一括査定サイトで最も高い金額を提示した不動産会社と売買契約を締結し売却をスタートした場合、どのような結果になるだろうか?

相場よりも高い査定から選ばれた更に高い金額のため当然売れるはずもない。売れない期間が長期化し、塩漬け物件として市場で認知されるだろう。そのような物件は敬遠され値下げしても売れず、最終的には相場価格ですら売れない可能性もでてくる。不動産売却には物件の鮮度が重要で、できるだけ短期間で売ることが鉄則なのだ。

もちろん運がよければ高値で買ってくれる買手が現れるかもしれないがその可能性は相当低いだろう。不動産売却においてあまりにも高い金額で売却をスタートすることはメリットよりもデメリットの方が多いことは理解しておこう。

不動産一括査定を利用後のキャンセルは可能か?

不動産一括査定サイトを利用するに当たって、気になるのはサービスを受けた後でキャンセルできるかどうかである。売却を依頼したいと思う業者が現れなければ、必ずしも媒介契約を締結する必要はない。

利用中でもキャンセルができるので、査定額が納得できなければ断っても良い。なお、個人情報の取扱も細かく定められているので、情報が流出する可能性は低いだろう。

しかし情報を取得した会社が営業活動をするのは可能なため、しつこい営業が来る可能性は否めない。断っているにもかかわらず継続的に営業が来る場合は、宅建業法に抵触している可能性があるので酷い場合は消費者センターにと言わせて見るのも良いだろう。

査定価格に納得できなければ断ってもよい

上述した通り、一括査定サイトの価格は基本的には高くなる傾向にある。しかしそれは高く売れるということではない。一括査定サイトの仕組みと契約が欲しい不動産会社の思惑により、高い査定額が提出されるのである。
あまりにも高い金額であったり、その根拠に納得ができない場合は思い切って断る選択肢も考えよう。不動産は高い取引であるため安易に決断を下すのは様々なリスクを伴うからだ。

まとめ

不動産一括査定サイトには、多くの不動産会社が登録しているが、必ずしも質の高い不動産会社が登録しているわけではない。媒介契約欲しさに、相場よりも高い金額が提示されることは理解しておこう。

筆者の経験では概ね1割〜2割ぐらい高い金額を提示されるケースが多い。それを加味して複数の査定額を比較して概ねの相場を把握するぐらいの利用法でも良いだろう。

不動産売却に関して不安や疑問等があれば、是非当サイトに問い合わせを頂きたい。「売主ファースト主義」を掲げ、売主の利益を最優先してきた知見を持って、売却のサポートをさせて頂く。